親が子どもに価値観を伝えることは、決して悪いことではありません。
「こういう考え方もあるよ」
「こんな生き方もあるよ」
そうやって親の経験を伝えることは、
子どもが社会を知るうえで大切なことでもあります。
しかし、それがいつの間にか
「親の考えが正しい」という前提になってしまうと、
子どもは自分の考えを持ちにくくなります。
「普通はこうする」
「そんな考え方はおかしい」
そう言われ続けるうちに、自分の気持ちよりも
親の価値観を優先することが当たり前になってしまうこともあります。
この記事では、毒親に多い「価値観の押し付け」とはどんなものなのか、
そしてその中で育つとどんな影響があるのかを考えていきます。
毒親の価値観の押し付けとは
毒親の価値観の押し付けとは、
親の考え方を「正しいもの」として子どもに強く当てはめることです。
子どもには子どもの考えや感じ方があります。
しかし、
「それは違う」
「そんなことを考えるのはおかしい」
と否定され続けると、子どもは次第に
自分の考えを口にすることをやめてしまいます。
親にとっては「正しいアドバイス」のつもりでも、
それが続くと、子どもにとっては
自分を否定されている感覚になることもあります。
価値観を押し付ける親の特徴
価値観を押し付ける親には、いくつかの共通点があります。
世間体を優先する
「人からどう見られるか」をとても気にする家庭では、
子どもの気持ちよりも世間体が優先されることがあります。
進路や行動も
「周りからどう見られるか」
「恥ずかしくないか」
という基準で決められてしまうこともあります。
親の理想の人生を歩ませる
親が思い描く「理想の人生」を、
そのまま子どもに当てはめてしまうこともあります。
進学や仕事、結婚など
「あなたのためを思って」と言われながらも、
実際には 親の理想を実現させようとしている場合もあります。
子どもの気持ちを聞かない
子どもが自分の考えを話しても
「そんなのダメ」
「それは違う」
と最初から否定されてしまうと、
子どもは自分の気持ちを話す意味を感じなくなります。
その結果、
親の価値観に合わせることが当たり前になってしまいます。
価値観を押し付けられて育つとどうなるか
価値観を押し付けられて育つと、
子どもは自分の考えを持つことが難しくなります。
自分の考えがわからなくなる
小さい頃から親の価値観が絶対になると、
「自分はどうしたいのか」がわからなくなることがあります。
選択に自信が持てない
何かを決めるときも
「これでいいのかな」
「間違っているかもしれない」
と不安になりやすくなります。
親の声が頭の中に残る
大人になって親から離れても、
「絶対○○だから」
「普通はこうでしょ?」
という親の言葉が、頭の中で繰り返されることがあります。
私自身も、親の価値観に強く影響を受けた経験があります。
特に母からよく言われていたのが、
「友達なんていなくていい」
「他人はいつ裏切るかわからない」
「家族だけが信用できる」
という言葉でした。
中学生までは友達も多く、そこまで親の言葉を気にしていませんでした。
しかし高校生になって環境が大きく変わり、
周りは優秀な人ばかりで、それまではそこそこ良かった成績も
下から数えた方が早いくらいになってしまいました。
それまで見えていた世界が一気に変わり、
学校に行けなくなる日も増えて、精神的にかなり参っていた時期でした。
本当はそのとき、親に気にかけてほしかったのだと思います。
そんな状態だったから尚更、
親の言葉をそのまま受け入れやすくなっていました。
友達が全くいなかったわけではありません。
それでも今振り返ると、
友達と泊まりの旅行をしたこともなく、
卒業旅行にも行きませんでした。
今でもたまに、周りで卒業旅行の話題があがると、
内心「私も行ってみたかったな」と思うことがあります。
本当に大切なのは自分の価値観
親と子どもは、親子であっても別の人間です。
考え方や感じ方、選びたい人生もそれぞれ違っていて当然です。
親の価値観を知ることは大切ですが、
それをそのまま自分の価値観として生きる必要はありません。
私自身も、親の言葉をそのまま信じてしまったことで、
「本当はどうしたかったのか」を考えないまま過ごしていた時期がありました。
友達との関わり方や、人との距離の取り方も、
どこかで「こうするべき」という基準に縛られていたように思います。
でも大人になって振り返ると、
親の価値観がすべて正しいわけではなかったことに気づきました。
人との関わり方も、人生の選び方も、
本来は自分で少しずつ作っていくものです。
親の考えを知ったうえで、
その中から「自分に合うもの」を選んでいく。
そうやって少しずつ
自分の価値観を作っていくことが大切なのだと思います。
まとめ
毒親の価値観の押し付けは、
必ずしも強い言葉や支配の形で現れるとは限りません。
「あなたのためを思って」
「普通はこうするもの」
そんな言葉の中に、
親の価値観が強く含まれていることもあります。
それが続くと、子どもは少しずつ
自分の考えよりも親の価値観を優先するようになってしまいます。
しかし親子であっても、
親と子どもは別の人間です。
考え方も、選びたい人生も、
それぞれ違っていて当然です。
親の価値観をすべて否定する必要はありませんが、
それが自分に合っているかどうかは、
自分自身で考えていくことが大切です。
少しずつでも自分の価値観を作っていくことが、
自分らしい人生につながっていくのだと思います。

